【検証】デュコフに鉛は含まれるのか?!【成分検査】

サックスマウスピース

※本記事は特定メーカーや製品の安全性を断定・評価する目的ではなく、あくまで個人所有品1点の成分分析を通じて、過去に語られてきた噂を検証する試みです。

サックスの音色を追求する過程でマウスピースをとっかえひっかえする時期が誰にでもあると思います。
楽器屋さんにギャインギャインに鳴らしたい!!と要望を伝えるとおすすめされるマウスピースの一つがデュコフです。
よく「じゃじゃ馬」「玄人でないと使いこなすのが困難」なんてことを耳にするマウスピースです。寸法が正しく出ていないことに起因します(今回の本題ではないので割愛します)。
そしてまことしやかに囁かれる噂として有名なのが「昔のデュコフには鉛が含まれている」というものです。
果たして本当にそうなのか!?
成分検査した記事が自分調べでは出てきませんでした。
都市伝説を調べるべく今回は所有しているデュコフの中でも特に鉛が入っていそうなものを1本
成分検査に出してみました。

ざっくり解説デュコフの歴史

何本か所有するデュコフのうちなぜ鉛を一番多く含んだデュコフと断定したのかその理由を説明するにはまずざっくりとデュコフの歴史を知る必要があります。
詳しく知りたい方は
セオワニさんのページにあるmouthpiece museum
https://theowanne.com/pages/dukoff

オレッグのSax museum
https://www.saxophone.org/museum/mouthpieces

上記のサイトがおすすめです。
※本記事の歴史的整理は、上記サイトの情報を参考にしつつ、筆者の理解に基づき要約しています。

※歴史をメタルのみに絞りかつ細かい仕様の変更を省略しました。
お詳しい方いらっしゃいましたら是非コメント(直接でも!)お願いします。

鉛が含まれていると話題になるのはマイアミフロリダ期のものになります。
シャンクに「MAIAMI.FLORIDA」と入っています。
マイアミフロリダ期でもボディの形や色合い等、時期により様々ですが初期のほうが黒く、後期になると白っぽいものが多い傾向にあります。

黒っぽくなる初期に鉛疑惑があるわけです。
そして今回検査に出したものはマイアミになる直前の
錫合金+メッキ(おそらくニッケルメッキ)仕様のデュコフです。
マイアミフロリダ期の前身であり超初期の黒デュコフであると推測しました。
トランショナル期のデュコフは刻印が開きの刻印の「D~」と「Dukoff」の2つで
シンプルな仕様です。

軽く磨きを入れてしまったのでわかりにくいですが黒デュコフ特有の黒ずみと
トランショナル期にみられるメッキ加工が確認できます。
シャンク付近のメッキ剥がれは割と確認しやすいと思います。

検査方法について

成分分析は金・銀等貴金属の成分鑑定を行う質屋さんに依頼することにしました。
昨今の貴金属高騰に伴い持ち込まれる方が増えているようです。
今回ご利用させていただいたのは
「にじや質店X線ラボ」さんです。
URL:https://nijiya-xray.jp/

※本検査は非破壊X線分析によるもので、内部組成を完全に保証するものではありません。

念のためマウスピースが可能か問い合わせたところ快く了承いただけました。
(当ブログで紹介する許可も合わせていただけました)

【衝撃】検証結果【※本検査は非破壊X線分析によるもので、内部組成を完全に保証するものではありません。】

検査に出して数日後、衝撃の結果が出ました。
結果表そのものは著作権の関係で当ブログでは掲載できませんが
大まかな数値は
錫:88%
銅:11.8%
ロジウム:0.37%
以下その他金属。。。

といった具合で一番気になる鉛は
<0.026%
なんと定量不可・可能性レベルでしか含まれず0ではないかもしれないが
0.026%より小さいことだけは言えるという結果になりました。

農林水産省の「加工食品に含まれる鉛の実態調査」に各食品項目ごとに鉛の含有実態が
表記されています。
これらの値を参考にするとデュコフの鉛含有量も加工食品に含まれる鉛に近い含有量で
あると言えます。
また経口摂取する食品よりただ咥えるだけのマウスピースのほうが摂取量は少ないと考えられます。

その他の有害であると思われる金属(カドミウム・ヒ素等)が危険なレベルで含まれていることは
ありませんでした。

一応ニッケルメッキと思われる部分も検査してもらったのですが
ばっちりニッケルでした。アレルギーを起こしやすい物質なので金属アレルギーを
お持ちの方にトランショナル期のデュコフはおすすめできない結果となりました。

※本検査は非破壊X線分析によるもので、内部組成を完全に保証するものではありません。

【考察】なぜデュコフは黒くなるのか?

今回の検証したデュコフは見た目は黒くても鉛はほとんど検出されませんでした。
黒くなるのはただ単に錫・銅が酸化しているからだと考えられます。
現行のデュコフでもビンテージ期のように酸化し黒くなっているものも
時々見かけます。

おそらくですが他のデュコフ(マイアミ期~現行)も即座に人体に有害なレベルで
鉛が含まれている可能性は低いと思われます。
一応デュコフを購入した時についてくる黄色い紙に印字されたお知らせでも
安全性について書かれています。

訳:このボビー・デュコフ製マウスピースは最高品質の素材で製造されており、有害な化合物を含まないことを保証します。

きっと変色を心配したユーザーからの問い合わせが多く上記のようなお知らせを添付するようになったのでしょう。

まとめ

今回は都市伝説である「デュコフに鉛が含まれているのか」非破壊X線検査で検証してみました。
結果は0.026%以下のレベルで含まれているかも?。。。というもので
即座に危険であるとは言い難い結果でした。
私的には絶対鉛がやばいレベルで含まれてる!!!と思っていたのですがまさかの結果に驚いています。
たまたま今回のデュコフが鉛を含んでいなかっただけという可能性もあります。
気になる方は一度私のように検査に出されるのもありかもしれません。
もし出された方は是非教えてください!

今回もご精読ありがとうございました。

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